【英検1級】2次試験スピーキング対策〜私の3ヶ月間の取り組み〜
目次
はじめに
こんにちは!
今回は、私が実際におこなった2次対策についてお伝えします。
まずは、結果からご覧ください。
得点からお分かりの通り、ギリギリ合格ライン突破!^^; という結果。
したがって、今回の記事は(受験前の)私のように
・普段スピーキングする習慣がない
・2分間スピーチをやると10秒もたない
・だけど、何とか1級に合格したい!
という方へ向けてのアドバイスとなります。
同じような境遇にいられる方のお役に立てれば幸いです。
※以下の音声は2次試験終了後に録音したものです。
TOPIC: Should social media companies be restriced?(こんな感じだったと思います^^;)
改めて聞くと、理由が理由になっていませんね。面接官の方には6点もつけていただき本当に感謝しかありません。
私の拙いスピーチが、懸命に対策されている皆さんへの励ましになることを願っています。
これからお伝えすることは、大きく分けて以下の4つです。
1 例文暗唱
2 オンライン英会話
3 スピーチ録音
4 学習に対するマインド
では、それぞれ詳しく説明します。
例文暗唱
2分間スピーチが10秒で終了していた私がまずしたこと、それが「例文暗唱」です。
ライティング対策の時もそうでしたが、まずはお手本を真似るところから始めました。
(「まなぶ」は「まねる」から派生したと言われてますしね^^;)
暗唱までの手順は、
1 写経しながら音読
2 見ながら音読
3 暇な時は暗唱
という流れです。
写経しながら音読
写経しながら音読する理由は、手を動かすことで、使われている語彙や文構造に意識が向けられるということ。
スピーキングの場合は、ライティングと同様、冠詞や単数・複数形といった細かな部分まで気をつけなければなりません。
したがって、この作業はそうした細かな点を洗い出していくのに非常に有効な方法だったと思います。
ちなみに私は、途中からこの作業を手書きからメモアプリへのタイピングに変更し、いつでもどこでも確認できるようにしていました。(さらに言うと、タイピングの方が作業が断然早いです)
見ながら音読
音読については、モデル音声を聞き、リズムやイントネーションを意識しながら取り組んでいました。
また、やって良かったなと思うことは、音声速度を下げて聞いていたことです。
速度を0.7倍速くらいにし、一つ一つの音を丁寧に聴き取ることで、発音矯正(リダクションやリンキング等も含め)に役立てていました。
練習初期の頃と比較すると、より明瞭な発音でスピーチできるようになったと思います。
※使用した参考書『英検1級 過去6回全問題集』の音源再生アプリ(英語の友)には、再生速度の調整機能がついています。
暇な時は暗唱
暗唱については、写経や音読が終わった英文を使い、それをスラスラ言える状態を目指しました。
言い換えると、「頭で考えるよりも先に口から英文が出てくる」状態であり、何度も何度も繰り返し練習しさえすれば、誰でも必ずできるようになります。
しかし問題は、その膨大な練習時間をどう確保するかだと思います。
私の場合は、隙間時間を利用しました。
例えば、食器洗いや洗濯物を干している時、または散歩している時などなど。(意外と隙間時間は発見できると思います)
ここで、私の面白い(?)エピソードをご紹介します。
2次試験の5日前にあった健康診断時のことです。
待合室では、当然メモアプリを見ながら暗唱練習をしていたのですが、なんと胃の検査中(胃カメラを入れられている最中)も頭の中で暗唱している自分がいました。(お医者さんから「リラックスしてくださいね」と言われたので、即座に意識を別のことに向けようとした結果です。ちなみに胃カメラは初めての経験で、「もう当分の間しなくていいな」という気持ちです)
これはさすがにやり過ぎだなと自分でも感じましたが、「気づいたら暗唱している」という理想の状態ができていた証とし、ポジティブに捉えるようにしました^^;
さいごに、暗唱するスピーチの数について。
基本(ほぼ完璧に暗唱できる)を10本、あらゆる分野を網羅するための30本、それらを合わせて40本くらいを用意しました。
オンライン英会話
オンライン英会話については、1次試験の準備と並行して受講しました。
(4月中旬からスタートし、7月上旬に2次試験)
日頃英語を話す機会がなかったので、意図的に話す環境を作ったことは結果的に良かったなと思います。
では、どのような目的でオンライン英会話を使用していたか。
5つの項目に分けて説明します。
話すことへの慣れ
1つ目は、英語を話すことへの慣れです。
1次試験終了後からの対策では、絶対に余裕がないだろうと思い、この時期から開始することにしました。
内容はフリートーク(お互いの国の教育システムやリモートワークについてなど)が中心。
受講後は、レッスン中に言えなかったフレーズを調べたりし、表現方法を少しずつ身につけるよう意識していました。
実際、この時期は英検対策というよりも、気分転換に英語を話していたという感じがします。
しかし、オンライン英会話を受講したおかげで「英語で自分の意見を伝えたり、相手の意見を理解したりする」という私が英語を学ぶ本当の理由を再確認することができたと思います。
スピーチの披露
2つ目は、スピーチ披露です。
1次試験後の1週間程度は、前項でお伝えした「例文暗唱」をオンライン英会話で披露していました。
手順は、
1 レッスン開始時にその日の「テーマ」を講師に伝える
2 2分間スピーチを行う。
3 フィードバックを受ける。
4 スピーチに関する質疑応答(2〜3問)をする。
このような流れで1回25分のレッスンを進めていきました。
1週間もすると、事前準備したスピーチ披露はある程度できるようになります。
ですので、そこから実際の試験に近い形で行うようにしました。(1分の準備時間で5つのトピックから1つ選び、話す内容を考える。そして2分間スピーチ、質疑応答という流れ)
実際やってみて気づきましたが、「暗唱披露」と「即興で話す」の間には相当大きなギャップがありました^^;
案の定、本番形式だと全然できませんでしたね。
「このままではまずい!」と焦りが出たことを今でも覚えています。
しかし、その後は本番に近い形で何度も練習できたので、2次試験直前にはどんな問題が出されても「とりあえず2分間は止まらず話せる」という状態まで仕上げることができました。
「暗唱文の披露」で自信をつけ、「即興スピーチ」(本番と同様)でひたすら練習する。
スピーチが苦手な方は、こうした順序で負荷を徐々に上げていくのが良いかと思います。
インタラクションで即興力向上
3つ目は、前項でのスピーチを講師に深堀りしてもらいます。
一つの質問に対して、45秒程度で答えられるよう意識していました。(質問数は2,3問)
質問に対する答え方ですが、
1 結論を言い
2 理由を1、2つ挙げ
3 再び結論でまとめる
このフォーマットで話すよう心がけました。
結果、どんな質問が来ても、上記の型に沿って話すことで、沈黙という最悪の状況は防げるようになると思います。
インタラクション(質疑応答)については、スピーチ同様10点満点の採点ですので、スピーチで多少失敗したとしても、ここで挽回が可能になります。(私の場合は、まさしくこのインタラクションで挽回できたと思っています)
また、スピーチ練習とは異なり、一人で対策するには難しい箇所になります。
したがって、インタラクションの力を伸ばすという点において、オンライン英会話はかなり効果的な方法であったと思います。
ちなみに講師の方は、英検対策専門の方ではありませんでしたので、私のスピーチに対して聞きたいことを質問してもらう、そして私がその質問に答える、というよくあるインタラクションで練習していました。
英検専門スクールのレッスン方法とは大きく異なるのかもしれませんが、「(英検専門ではない)オンライン英会話でも、対策は十分できる」ということが今回の受験でわかりました。(コスパも非常に良いと思います)
フィードバックを得る
4つ目は、講師からのフィードバックが得られることです。
私の場合は、
1 スピーチの内容について
2 文法エラーについて
3 発音・イントネーションについて
4 インタラクションでの内容について
上記の内容についてアドバイスをお願いしていました。
文法では、あらゆる単語にsがついてしまう癖。(主語・動詞の一致)
発音では、worldの[r]の発音や、poepleの[l]に[r]の音が入る。
などなど、自分一人では絶対に気づかなかった点を数多く指摘していただきました。
これらの細かなフィードバックのおかげで、私はスピーキング力を大きく伸ばすことができたと思います。
メンターの役割
オンライン英会話を始めるにあたって、講師選びは非常に大切です。
まずは、
1 英検対策ができる
2 誤りを的確に指摘できる
3 メンター的役割を担える
これら3つの基準を満たす講師の発見を第一にレッスンを受けていきました。
大体2週間(講師10人程度とレッスン)で数人に絞り、その中でも定期的にレッスンが受けられる講師の方を予約するようにしました。
ちなみに講師の中には、何の知らせもなく(伝える義務もありませんが^^;)突然辞められる方もいるので、常に3人程度の候補者がいると良いと思います。
オンライン英会話に限らず、自分の話す癖や間違いやすいポイントを知っている先生に教えてもらう方が、上達速度は早くなりますよね。
ですので、まずは自分に適した先生(英語力はもちろん、雰囲気等も含め)を3人程度選ぶことをオススメします。
また、その講師が自分のメンター的役割も担ってくれるかどうかも重要な点であると考えます。
私の場合、準備期間から2次試験の結果が出るまで、ほぼ毎日レッスンを担当していただいた講師の方がいました。
この準備期間は、自身の英語力の無さに落ち込むこともありましたが、講師の方に試験に対する不安や焦りの気持ちを聞いていただけたことで、精神的に支えてもらうことができました。
特に、社会人で英語学習をされている方については、学生時のように、競い合ったり、悩みを相談したりできる友人が身近にいることってほぼないですよね。
こうした点から考えても、私は精神的なサポートもしていただける講師の方と出会えて本当にラッキーだったなと感じています。
スピーチ録音
オンライン英会話を受けていく中で、「一人での練習がもっと必要だな。」と感じることが多くなっていきました。
そこで、多くの方が実践されていた「スピーチの録音」に取り組むことにしました。
まず録音機材ですが、リスニング対策で使用していたICレコーダーです。
取り組み方は本番と同じ流れ。
1 問題文を見る
2 1分間考える
3 2分間スピーチ(録音)
スピーチ終了後
4 反省(スピーチ時間、表現方法、文法、発音など)
1の「問題文」ですが、私は以下の順で徐々に本番形式に近づけていきました。
直前に練習した問題
↓
初見問題(過去問等から)
↓
本番形式(5題から1題を選択するところから)
取り組む量については、(録音練習は)1日1回。
正直、最初は自分の声を聴くことに抵抗がありました。
しかし、録音記録を振り返ることで、確実に上達していることがわかり、それをモチベーションに取り組んでいました。
ここで少し話はそれますが、ICレコーダーを使用しての学習が10日ほど経った頃、なんと録音と同時にスクリプトの文字起こしもしてくれるという、まさに二次試験専用とも言える神アプリに出会います。
それが「Otter」というwebサービスです。(アプリ版もあり)
(「録音」に「リアルタイム文字起こし」機能がついています)
有料版もありますが、無料でも600分/月のサービスが受けられますので、2分間スピーチの練習で使うだけなら十分すぎる量です。
このOtterの存在を知ってからは、「録音→文字起こし→復習」という流れができ、かなり効率的に学習することができました。
「まだ使ったことがない!」という方は、ぜひ一度お試しを。
https://otter.ai/jp
学習に対するマインド
4つ目は学習に対するマインドです。
学習方法については、すでに上記でご紹介しましたが、やはりメンタル的なところが非常に大切だと思います。
ここでは、私が特に意識していた2つのことをお伝えします。
朝一にやる
これはライティング対策でも述べましたが、人は誰でも苦手なことは先延ばしにしがちです。
したがって、これを防ぐために「起床後はすぐにスピーキング対策」という意識を持ち、行動に移しました。
「朝は全然余裕がない」
「朝は苦手なんだよな」
と思う方もいるかもしれませんが、朝は最も効率良く学習できる時間帯だと言われています。
私は英検対策を始めた時から、朝時間を利用していたので、比較的容易に「朝一にする」は実践することができました。
頭がクリア、かつ意志力も高い状態ですので、朝一をオススメします。
以下が取り組んでいた内容です
1 例文暗唱(オーバーラッピング、シャドーイング) 25分
2 2分間スピーチ(既習テーマ)→ 模範解答の音読 10分
3 2分間スピーチ(未習テーマ)→ 模範解答の写経 → 音読 30分
大体1時間程度のタスクですね。
そして不思議なことに、苦手なことに取り組み続けていると、それらに対するネガティブな気持ちが薄らいでいきます。
むしろ、一つ一つできることが増えることで、楽しく感じるようにさえなっていました。
ですので、英語学習に限らず、自分がやりたいと思っている事柄には、朝一に取り組むのが一番だと思います。
朝時間の話ではありませんが、スピーキング練習に関して言うと、上記以外にオンライン英会話とその準備(1時間)、さらに隙間時間に覚えたフレーズの独り言、ということをしていました。
したがって、スピーキング対策には1日3〜4時間くらい取り組んでいたと思います。
学習仲間を持つ
やはり一人で学習し続けていくことは、相当な覚悟がなければ難しいですよね。
そんな時に、大きな支えとなったのが仲間の存在です。
私は英検対策を本格的に始めた際、SNS(Twitter)を始めました。
最初は、英検に関する情報収集と学習の中での気づきを発信(備忘録として)していましたが、気づけば、多くの英語学習者さんとつながることができました。
私自身なかなかやる気が出ない時も、SNSで努力されている方々の前向きなコメントを見ることで、「頑張ろう!」という気持ちが湧き出てきました。
また、嬉しいことに、フォロワーさんから模擬面接(学習会)のお誘いもいただくことができました。
最初は、参加することに戸惑いがありましたが、コンフォートゾーン(快適空間)を出るチャンス、つまり成長のための絶好のチャンスだと捉え、思い切って参加することを決断しました。
結論から言うと、参加して本当に良かったです。
オンラインでの学習会でしたが、本番同様の練習(面接官役がネイティブと日本人)ができたおかげで、自分の課題を明確に知ることができました。
また、参加者の中には、国連英検(特A、A級)を受験される方もおり、その方達のスピーチも間近で聴くことができました。(国際問題について英語で意見を述べている様子は、めちゃくちゃカッコよかったです!)
SNSを始める前は、このようなことが起こるなんて夢にも思いませんでした。
しかし、「物事を続け、それを発信していれば、必ず誰かが見ていくれている。」そう感じるようになり、SNSの持つ力の大きさに改めて気づかされました。
「仲間」
これが私が英検学習を通して得た大きな財産の一つです。
これから学習される方も、ぜひ学習仲間(オンライン・オフラインに限らず)を作り、お互いに切磋琢磨、叱咤激励できる環境を作ってみてください。
一人で乗り越えられない壁も、仲間がいれば、必ず乗り越えることができます。
※模擬面接の主催者であり、私に声をかけて下さった【ゆーちゃんさん】、面接官を担当していただいた【Sean MacGrathさん】、模擬面接で素晴らしいスピーチ披露と2次試験アドバイスをしていただいた【elmmaさん】【とげまるさん】、そして【英検学習中に「いいね!」やリプライしていただいた皆様】、この場をお借りして感謝申し上げます。本当にありがとうございました。そして、これからも皆さんに追いつけるように英語学習を続けていきたいと思います。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
さいごに
以上をまとめると、
1例文暗唱
2オンライン英会話
3スピーチ録音
これに加え、
学習に対する姿勢(マインド)
をお伝えしました。
2次試験については、何とか1回目で合格することができましたが、まだまだスピーキングの力不足を感じています。
しかし、英検にチャレンジしたことで、英語力(4技能)が大きく伸びたことは間違いありません。
英検受験後は、海外ニュースやポッドキャスト、洋書といったオーセンティックな素材で学習することが多くなりましたが、以前よりも一層楽しく英語学習に取り組むことができるようになりました。
「1級合格は、本当の英語学習のスタート地点」
そのように私は考えています。
今後は、「英語を学ぶ」から「英語で学ぶ」ことを意識しながら英語に触れていきたいなと思います。
今回の記事が、これから2次試験を受験される方の一助になれば幸いです。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。